理事長挨拶

 法人第2期理事長(2018年6月〜2020年7月)

 

 

一般社団法人日本心理学諸学会連合
理事長 横田正夫
(日本大学・教授)

 

 

 本年6月の定例理事会に置かれまして、一般社団法人日本心理学諸学会連合の理事長に選出されました。日本心理学諸学会連合は1999年に設立されましたので、丁度20年目を迎えようとするこの時期に、理事長を務めることになり、改めて身の引き締まる思いがいたします。国家資格化や第31回国際心理学会(ICP2016)の開催などにおいて本連合の舵取りを務められた子安増生前理事長の路線を引き継ぎ、また理事の先生方のご指導ご支援を仰ぎながら、本連合の活動に誠心誠意励んでゆきたいと思います。ご支援ご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 本連合は2016年に一般社団法人となり、今期はその第2期となります。定款に掲げる目的は「心理学及びその関連分野の調和ある発展を期し」とありますように、心理学の広い分野の調和ある発展です。心理学は理論と実践が両輪となって、発展してきています。本連合に所属する学会は、心理学の広い分野を包含し、その調和のある連携をもとにした発展は、心理学の社会に対する大きな貢献に資することと思います。

 

 日本の社会をみますと、自然災害や巨大事故などに伴う心の問題への対処や「いじめ」や「自殺」といった心の問題への取り組みも切実なものとなっています。その取り組みのためには心理学研究の成果を生かし、心理学的技術を普及させ、政策の提言を行っていくといったように、科学的な正しい知識を探求し、その知識を社会に活かしてゆく道を探ることが、本連合の大きな役割です。国家資格の公認心理師では、心理学の知識を社会に活かすためのおおきな道筋を提供してくれることでしょう。そのため公認心理師にかかわる教育は、心理学の科学的な正しい知識に基づいておこなうべきものとなります。本連合からその教育に関する提言を行っていくことは大きな意義のあることでしょう。

 

 心理学の社会への貢献の第一歩として、心理学の知識の普及があるでしょう。本連合で行っている心理学検定事業は、2008年に始められ、2018年には11回目の検定試験が行われます。この検定事業では、一般の人に対して心理学の知識を普及させることに大きく貢献し、また多大な成果を収めています。誰でも心理学検定が受けられる、というところに、心理学の科学的成果についての知識の普及がはかれている理由があります。心理学検定局のお力で、安定した事業がすすめられ、受験者数も増大してきておりますので、それに合わせて試験内容の充実がより一層望まれます。さらにはこの資格の用途についても拡大する方途を探ることも求められます。

 

 本連合の掲げる事業には「国際協力の強化」を含め、多くのものが掲げられています。それらの事業を進めてゆくためには、本連合に所属する学会の協力なくしては成し遂げられませんし、さらには世代を超えた対応も必要になります。若い研究者に、学会間での連携に関心を寄せて頂き、相互の協力関係を築いていって頂くような繋がりが今後の本連合の活動に必要になってきます。本連合には各学会を指導する立場の先生方が理事として活躍していますので、次の世代と連携をもふくめた活躍の場を設けることは今後の発展のために必要なことと思います。
 重ねて皆様方のご支援ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

2018年7月



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