日本応用心理学会
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日本応用心理学会
設立年 1936年
会員数 1,124名
代表者名 古屋 健
『応用心理学研究(年3回)』
『応用心理学研究 国際応心英文特集号(4年に1回)』
『応用心理学のクロスロード(年1回)』
日本応用心理学会の歴史は古く,前身のひとつである関西応用心理学会の第1回大会が開催された1927年まで辿ることができます。また,関東では1931年に第1回応用心理学会が開催され,1934年以降,この東西2つの学会は各々の大会とは別に,隔年で合同大会を開催するようになりました。そして,1936年開催の第2回合同大会において,大会名を「日本応用心理学会」とすることが決議されました。現在の学会名の起源はここにあります。残念ながら,太平洋戦争の激化に伴い合同大会は4回で中断を余儀なくされます。しかし,終戦後間もない1946年3月には復興第一回大会が開催されました。現在に至る大会開催数はこの時が基点となっています。以後,第24回大会(1957)までは年2回,その後は年1回の開催となり, 2022年には第88回を迎えます。
このような長い歴史の中で,機関誌も「人間科学」「応用心理研究」と名前を変え,現在は「応用心理学研究」として刊行されています。「応用心理学研究」は1978年に第1号が出され,当初は年1回でしたが,1997年から年2回,2012年から年3回の刊行となっています。また2008年度第34巻からは,国際応用心理学会議の開催にあわせて4年に1回の増刊号として英文論文集「国際応心英文特集号」を刊行しています。
本学会では応用心理学の研究成果を広く社会に還元するため,年次大会とは別に,最新の身近な問題をテーマに専門家が討論を行う公開シンポジウムを年1回開催しています。また,応用心理学の普及と会員の交流を図ることを目的に,2010年から広報誌「応用心理学のクロスロード」を毎年刊行しています。応用心理学普及のための出版活動にも積極的に取り組み,古くは本学会編集による「心理学講座」全12巻(中山書店1953―54,毎日出版文化賞を受賞),近年では「応用心理学事典」(丸善2007),「現代社会と応用心理学クローズアップ・シリーズ」全7巻(福村出版2013−15)などを出版しています。
1993年には応用心理学の専門職としての資質を認められた会員に対し,「応用心理士」の資格を認定する制度を制定しました。年次大会では応用心理士取得者や取得希望者を対象とした研修会が開催されています。現在までに366人の会員が応用心理士資格を取得し,さまざまな分野で活躍しています。
心理学の研究分野は年々細分化の傾向を強め,各分野の専門家による新しい学会が続々設立されてきました。その一方で,現実的な問題にアプローチするためには,特定分野の専門家の視点だけでなく,周辺領域・関連領域の研究者との協働・連携が不可欠です。日本応用心理学会は,心理学が社会の具体的な問題解決に資することを目指し,幅広い専門領域の研究者を糾合することを目的に設立されました。そのため,会員の専門領域は、@原理・認知・感情、A教育・発達・人格,B臨床・福祉・相談、C健康・看護・医療、D犯罪・社会・文化、E産業・交通・災害、Fスポーツ・生理など多岐にわたっています。社会が複雑化していく中,心理学諸領域の専門知が交流する本学会の存在意義もますます高まっています。
2021年,日本応用心理学会は設立85周年を迎えました。100周年を前にして,学会ではこれまでの研究活動の総決算とも言える「応用心理学ハンドブック」(福村出版)の出版を企画し,近く刊行のはこびとなりました。これまでに例のない独創的な編集方針により,学会員を中心に300名を超える研究者や実務家が結集し,わが国におけるこれまでの応用心理学研究の成果を領域別に一望できる一冊ができあがりました。幅広い領域の専門家を会員にもつ日本応用心理学会ならではの企画であると自負しております。是非,ご期待下さい。(文責: 理事長 古屋 健)