公益社団法人日本心理学会
- 学会名
- 基本情報
- 学会誌名 (3誌ともオンラインで一般公開)
- 学会紹介 (ホームページから抜粋)
- 学会からのメッセージ (ホームページから抜粋)
- 学会ホームページURL
公益社団法人日本心理学会
設立年 1927年
会員数 7,876名(2021年3月31日現在)
代表者名 坂上貴之
心理学研究 / Japanese Psychological Research / 心理学ワールド
日本心理学会は,心理学の進歩普及を図ることを目的として1927年(昭和2年)4月7日に創立された,全国規模の心理学の総合学会では最も歴史のある学会です。基礎領域から応用領域まで広い専門領域にわたった会員を擁し,一貫して日本の心理学の発展に貢献してきました。任意団体でしたが1994年(平成6年)9月20日には,文部省から社団法人認可を受けました。2011年(平成23年)4月1日からは,内閣府の認定を受け,公益社団法人となりました。
公益社団法人日本心理学会の事業としては創立当時から学術研究大会の開催,「心理学研究」の刊行,会員名簿の刊行を行っています。現在では,英文機関誌の「Japanese Psychological Research」の刊行,心理学の啓蒙・情報誌の「心理学ワールド」の刊行,認定心理士の資格認定,研究及び調査の実施,その他公開講演会,公開シンポジウムの開催,認定心理士研修会の開催等の事業を行っています。また,刊行誌掲載の優秀な論文に対する表彰制度,国際的な優れた業績を挙げた研究者などに対する表彰制度もあります。
国際交流としては,1951年の第13回国際心理学会議の際に国際心理科学連合(International Union of Psychological Science)に加盟が認められました。1972年には,第20回国際心理学会議を東京で開催し,1990年には第22回国際応用心理学会議を京都で開催しました。いずれも大成功であり,国際心理科学連合の理事にも選出されています。また,2016年には第31回国際心理学会議(ICP2016)を横浜で開催しました(会場:横浜パシフィコ,会期:2016年7月24日―29日)。現在、とMOUを締結しております。
国内の心理学関連の学会とは日本心理学諸学会連合を通じ,心理学の教育カリキュラムの問題,資格間題等の情報交換を行っています。
日本における心理学の位置づけも,100年の歴史を通じて様々に変わってまいりました。文学部の哲学科のカリキュラムの一部にあった頃から考えると,最近の大学における心理学部の設立や受験生の高い人気などは隔世の感があります。その象徴の1つが,昨年が第1回目となった公認心理師国家試験の開始です。弁護士,公認会計士など,国家試験を経て社会で活躍されている文系出身のプロフェッショナルな方々と同じように,心理学を学んだ者が活躍する場ができるということを昔のアカデミシャンが知ったら,さぞかし驚かれると思います。
公認心理師制度そのものは,心理学を学ぶ者として寿ぐべきものであるのですが,同時にそうした制度は,法科大学院をめぐる昨今の動向を挙げるまでもなく,大学や大学院の学問内容や学修プログラムに多大な影響を与えることにも関心を寄せる必要があります。今や,伝統的な心理学のカリキュラムは,その存続価値を問われているといっても過言ではありません。日本心理学会は,こうした起こりうる影響に率直に向き合い,科学としての心理学,エビデンスに基づく心理学の教育と研究を推進していきたいと考えております。本学会に所属することによって,過去から受け継がれてきた心理学の,未来への伝承と革新に,共に携わっていただければ嬉しく存じます。
今や世界は,衝動的で,自己中心的で,非寛容的で,怒りにまかせた行為が溢れかえっています。こうした行為を私たちは如何に理解し,変容させていけばよいのでしょうか。心理学に無力を感じる前に,心理学の持ってきた豊富なアプローチを考えてみましょう。合理論的 対 経験論的,トップダウン的 対 ボトムアップ的,質的 対 量的,認知的 対 行動的,規範的 対 記述的,実験的 対 臨床的,基礎的 対 応用的,等々,先達が様々な工夫を凝らして心理学的対象に迫った様々なアプローチを私たちは見つけることができます。おそらく私たち心理学徒は,自分たちの立場を対象に合わせてずらしてみながら多方面から考えることに長けているのではないかと思います。こうした多面的なアプローチをとれる真に文理融合的な心理学徒として,本学会のこれからを見つめていっていただければ幸いです。(文責 理事長 坂上貴之)
https://psych.or.jp/